射精した感覚があるのに、精液が出ていない!?
そんなことありませんか?
もしかしたらそれは逆行性射精かもしれません。
独身者には決定的な影響はありませんが、妊活している男性にとっては深刻な問題です。
実際にこの症状で不妊治療を受けた男性の割合は数パーセント程度です。
射精の仕組み
逆行性射精の話に移る前にまずは射精のメカニズムから。
下図を参考にして下さい。
精液ができて、射精されるまでのプロセス
睾丸の中の精巣で毎日、何百万個の精子が作られます。
この中で精子の元となる精粗細胞が作られ精巣上体に一時保管(完全体まで約74日かかると言われています。)されます。
性的刺激があると精巣上体が収縮、精子は輸精管へと運ばれます。
精巣上体から輸精管が続きますが、これは膀胱の後ろ側に廻っています。
輸精管は射精管へ続き、精嚢からの分泌液と混ざり、前立腺に入ったあと前立腺液と混ざり、最後に尿道にでます。
射精は2つの神経が関与しています。
輸精管から射精管、尿道にいたるまでは交感神経。
尿道から体外へ放出されるのは体性運動神経が支配する脊髄反射によります。
尿道は尿と精液の両方が通る通路ですが、同時に痛快することはありません。
精子が前立腺部を通過するとの膀胱の括約筋が収縮して膀胱頸部が閉鎖します。
逆行性射精とは
逆行性射精は膀胱頸部が射精時になんらかの原因で閉鎖されない事で起こります。
つまり体外ではなく、膀胱内に精子が向かうために、射精した感覚があるのに、少ししか精液が出なかったり、全く出なかったりするのです。
逆行性射精の原因
この逆行性射精が起こる原因は述べた通り膀胱頸部が射精時に閉まりきれないことが直接の原因です。
それではなぜ膀胱頸部が閉まりきれないかですが、これは以下の事が要因の可能性がありますが、実際はほとんど人の原因は不明です。
- 自律神経の異常(糖尿病など)
- 事故等による神経切断
- 前立腺の手術の影響
- 薬剤の影響
逆行性射精の治療方法
自律神経(交感神経)の活性化を促す薬物治療があります。
ただし副作用で眠気やだるさが起きる可能性があります。
またこの薬物治療が効果ない場合、もし妊娠を目指している男性であるなら、膀胱から精子を取り出し、人工授精や体外受精という手段が現実的な方法です。
- 薬物治療で効果がでる場合がある
- 本気で妊娠を望むなら人工授精、体外受精が確実